コラム

フランスのパティシエ国家資格とは?日本人も受験可能!

フランスのパティシエ国家資格とは

昨年の9月〜12月にかけて、わたしはパティシエの資格取得に向けて勉強してました。試験に申し込んで、道具も買って、毎日勉強したり、菓子製作していました。

今回は、フランスのパティシエ資格について紹介したいと思います。この資格はフランスの国が主催していて、フランス人でなくてもフランスに住んでいなくても受験可能です。しかも、受験料はほ無料です。

とても魅力的に思える資格ですが、一点だけとてもめんどくさいことがあります。

CAP Pâtissier の試験内容

CAP Pâtissier (セ・ア・ペ パティシエ)とは、フランスのパティシエの技術資格のことをいいます。

CAP とは、Certificat d’Aptitude Professionnelle のことで「職業適性能力資格」のことをいいます。技術職の資格としては最初のレベルのものです。

一般的には中学を卒業して、パティシエの職業高校に入り、そこでパティシエの技術を身につけていき、CAP やその上の資格(BEP)などの資格を取ります。ですが、高校を卒業した社会人のために、この資格を取得することができます。その受験枠のことを Candidat libre(自由応募者)といいます。

余談ですが、フランスでも会社員を辞めて手に職をつけたいという人が多く、パティシエだけでなく、料理人やパン職人などのCAP資格を取っているんだそうです。だから、学校に行かなくても取得できる Candidat libre 枠があるのかもしれません。

今回は Candidat libre での受験方法について紹介します。

受験資格

国籍や住所にとわず、誰でも受験可能です。

フランス人でなくても外国人でも可能で、またフランスに住んでいなくても受験することができます。ただし、試験はフランスで行われるため試験時期にフランスに来る必要はあります。

だから、日本人でも日本に住んでいてもフランスのパティシエ資格を取得することはできます。

ただし、高校卒業資格(パカロレア)を持っていない場合は、バカロレア相当の試験を受けないといけません。

試験時期

毎年6月頃に行われます。

受験料

0〜5ユーロ。

ほとんどの会場で無料で試験を受けることができます。会場によっては5ユーロ程度の受験料が発生する場合があります。

もちろん資格取得後にも入会金などは不要です。

国家資格相当の試験をほぼ無料で受験できるってすごいですよね。教育が充実している国だぁって感じましたもん。

試験内容

筆記試験と口頭試験と実技試験で構成されています。

筆記試験 L’épreuve théorique
  • 配点:4
  • 時間:2時間

内容は、「供給と在庫管理 Approvisionnement et gestion des stock」で、詳しくは

  • 菓子製作のテクノロジー Technologie de la pâtisserie
  • 食物化学 Sciences de l’alimentation
  • 会社の知識と経済、法律、社会の環境 Connaissance de l’entreprise de son environnement économique, juridique et social

の範囲です。

筆記試験はマークシートではなく、説明することを求められる問題です。

実技試験 L’épreuve pratique
  • 配点:11
  • 時間:7時間

試験時間は7時間ですが、内訳は計画表記入が30分、オーラル試験が30分(下記に詳細)、お昼休憩が30分となり、実質の実技試験時間は5時間30分です。試験当日は朝7時くらいに試験が開始され昼過ぎに終わります。

出題範囲は、

  • アントルメ Une entremets
  • タルト Une tarte
  • シュー生地を使った菓子、もしくはフォユテ生地を使った菓子 Une réalisation à base de pâte à choux ou de pâte feuilletée
  • ヴィエノワズリー Une viennoiserie

の4つのパティスリーを製作します。

口頭試験 L’épreuve orale

また、上記の実技試験内に口頭試験も行われます。

  • 時間:30分×2回

実技試験の邪魔にならないように試験管が配慮して、タイミングを見計らって口頭試験を行ってくれるそうです。

口頭試験内容は、

  • 食物化学 Sciences de l’alimentation
  • 作りかた Recettes
  • 衛生 Hygiène
  • 安全 Sécurité
  • 道具 Matériel

の範囲から出題されます。

例えば、

  • Comment on réalise une génoise ?
  • Quel est le rôle du sel dans la pâte brioche ?
  • À quoi sert une prise de terre ?
  • Pourquoi est-il important de se laver les mains et comment ?

というもので、フランス語レベルは難しいものではありません。日本語で答えるのは簡単ですが、もちろんフランス語で説明しないといけません。

試験レベル

合格率や平均点などは公表していません。

なので、難易度は分かりませんが、パティシエの方が言うには Candidat libre の受験者は実技の練習時間が限られていることもあり、厳しい試験であるとのこと。

わたしは少しだけ勉強してみたのですが、しっかりと勉強すれば受かる試験だと感じました。筆記や口頭試験のための暗記はもちろん、実技のための練習をかなりする必要がありますが、難易度が高すぎると言うことはないようです。

以上が、CAP Pâtissier の自由応募者としての試験です。

高校卒業相当の資格とは?

ところで、応募資格の項目で「高校卒業資格(パカロレア)を持っていない場合は、バカロレア相当の試験を受けないといけません」と書きました。

ほとんどの方が日本で高校を卒業されて、バカロレア相当の資格をお持ちだと思います。それが、フランスで適応されるかどうかですが、日本の高校卒業資格はフランスで適応されません。EU(欧州連合)加盟の国であれば適応可能です。

ただし、CAP Pâtissier の試験に関しては適応されませんが、大学等であれば適応できます。

ですので、日本人が CAP Pâtissier の資格を取ろうと思ったら、バカロレア相当の試験に合格しないといけません。

国語(フランス語)、歴史地理、数学、化学、物理、体育が試験課目です。私が応募した際には、国語と体育がなぜか免除され、ほかの課目を受験するように指示がありました。

ですので、誰でも受験可能と書きましたが(それは外れてはいない)、誰でも受験はできるけれど高校卒業資格も並行して勉強する必要があります。

バカロレア相当の試験は筆記と口頭試験(国語・地理歴史)、体育は実技試験で構成されています。また、フランス語レベルは当然ネイティブレベルでDALFでいうとC1かC2です。日本で高校は卒業しているので高校レベルの知識はあるものの、それをフランス語で書いて答えるのはかなり難しいし、やるとしても時間がかかるなって思いました。

私は試験の申込みをして、協会から高校卒業相当の資格等の書類を送ってから、ようやく協会から連絡があり、日本人の場合はバカロレア相当の資格を受けるようにと指示されました。それまでのさまざまな情報では自国で高校卒業資格を持っていれば免除できるというものだったのですが、それはEUのみに適応できるようです。

高校の課目を勉強する負担を考えると、一度自国で卒業している身としては時間のムダかなぁっていう判断をして断念しました。ちょっと残念ではあるのですが、試験の重圧から解放されて楽になりました。

実技試験の配点が一番高く難しいと言われているのですが、わたしにとっては口頭試験こそが最難関だと考えていました。パティスリーの専門用語で質問に答えるのは難しいー。

ということで、誰でも受けるにはちょっとハードルが高いですが、CAP Pâtissier の試験の紹介でした。参考にしてください。

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kico

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