以前、クサン・ド・リヨン Coussin de Lyon というお菓子があることを紹介しましたが、もうひとつ、リヨンのスペシャリテなお菓子があるんです。
Cocon de Lyon ココン・ド・リヨン といい「リヨンの繭」という意味のお菓子です。
リヨンの特産品のひとつは絹織物です。
昔から絹織物が作られていて、今でも多くの工房が残っています。
その伝統はルネサンスの頃にさかのぼります。
15世紀に入るとイタリアから絹商人や技術者たちがリヨンに引っ越して絹織物が作り始められました。
ルイ11世は絹織物を推進し、南フランスでも養蚕業の発展を指示しました。
16世紀に入るとフランソワ1世が貿易赤字解消のために、リヨンに特許を認め絹織物の中心としました。
ルイ14世はヴェルサイユを豪華に飾るために絹織物を大量に買い付けました。
その時の国王の後押しもあり大きく発展していきました。
しかし、19世紀の1855年、蚕の病気がヨーロッパ全土に広がっていき、フランスも大きな打撃を受けました。当時、リヨンは世界一の絹織物産業と発展していましたが、同じく大きな影響を受け、多くの失業者が出るなどパニックを起こすほどでした。
そこで、日本の上質で丈夫な生糸に注目しました。日本の開国にもちょうど時期が重なったこともあり、生糸を輸入することができ、リヨンの養蚕業と絹織物は復活を遂げました。
絹織物はリヨンの旧市街を中心とした地区で作られていました。
絹織物は非常に高価なものだったため、大切に扱われていました。
そこで発展したのがトラブール Traboule と呼ばれる建物の中にある細い通り道です。
ラテン語でTrabouleとは「密集した建物の内部の通り」という意味。
リヨン市内に500のトラブールが今でも残っています。
- Vieux Lyon ヴューリヨン:215
- Croix Rousse クロワルス:163
- Presqu’île プレスキル:130
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