赤いプラリネのブリオッシュが誕生するまでの話
ローヌアルプ地方一帯で見られる地方菓子である赤いプラリネのブリオッシュの起源は、ブルゴワン=ジャイユー Bourgoin-Jallieu という町にあります。
ブリオッシュ・ブルゴワン=ジャイユーの由来
ブリオッシュ・ブルゴワン=ジャイユー Brioche de Bourgoin-Jallieu とは、大きなドーナツ状に成形したブリオッシュ生地に赤いプラリネと白い砂糖を飾ったお菓子です。
1447年10月18日、フランスの王太子ルイ2世は美しい黒い馬に乗ってディジョンを通ってブルゴワン=ジャイユー Bourgoin-Jallieu という町に入りました。
ブルゴワン=ジャイユー Bourgoin-Jallieu はイゼール Isère 県に位置する小さな町です。
ブルゴワン=ジャイユーの位置
王太子には40人の騎士が随行していました。
ブルゴワンの貴族や住民より歓迎され、王太子はブルゴワンの町を気に入ります。その後、何度もブルゴワン=ジャイユーに滞在しました。
1450年、ブルゴワン近くの町ヴィエンヌ Vienne にバイイ裁判所の裁判席を移すことを決めました。
これにより、ブルゴワンに繁栄がもたらされることになりました。
王太子は1461年にはフランス王になりルイ11世となりました。
町のパン職人は王太子に敬意を表して、王冠の形をしたお菓子を考案しました。
小麦粉・牛乳・卵・酵母で作られ、蜂蜜で甘味をつけ、表面をプラリンと白い砂糖で飾ったもので、これがブリオッシュ・ブルゴワン=ジャイユーです。
ちなみに、中世時代にはパン生地に甘味をつけたものもお菓子とみなされていました。
王冠型のブリオッシュ生地にプラリネとドラジェを中に詰めて、赤と白のあられ糖で表面を飾ったお菓子が正式なブリオッシュ・ブルゴワン=ジャイユーです。
このような赤いプラリネのブリオッシュはローヌアルプ地方やその近郊でよく見られます。
形は丸型や王冠型などがありますが、赤いプラリネをつかっているところが共通点です。ローヌアルプの地方菓子となっていて、各地の地名の名前が付けられています。