Canelé カヌレってどんなお菓子?
フランス南西にあるボルドーで生まれの縁がギザギザの型で焼いた焦げ茶色のお菓子。縦に12本の溝のはいった小さなカヌレ型をつかって焼きます。
牛乳や小麦粉、砂糖や卵をまぜた液に、ラム酒やバニラで香りをつけて型に流して焼きます。型にはミツロウを塗ることで、表面に艶がでてかりっとした食感になります。
1985年にカヌレの保存と普及を行っうために協会がつくられ、カヌレのつづりも Canelé としました。
ミステリアスなお菓子
ボルドーではワインの生産が盛んで、ワインを造るさいに澱をとるために卵白をつかい、余った卵黄でカヌレをつくったという説があります。
また、ボルドーの港に外国からラム酒やバニラなどの食材が入ってきたため、ボルドーでカヌレ作りが盛んになったともいわれています。
ただ、カヌレが今の形になった由来については何も分かっていません。カヌレが生まれてからの歴史を振り返ってみましょう。
カヌレの誕生
カヌレは18世紀、ボルドーのアノンシアルド修道院 Annonciades で生まれたと言われています。
その修道院の尼僧たちは、アーモンドやノワゼットなどのナッツ類、シナモンやギリシアのコリントス産の干しぶどう、オレンジ皮などをつかい甘いお菓子をつくっていました。
その中に棒状の形の小さなお菓子がありました。このお菓子のことをカヌラ Canelats / カヌレ Canelets と呼んでいました。
材料の請求書は残っていますが、型やレシピが残っていないため、カヌレが今の形かどうかは分かりません。1990年代におこなった発掘調査でもレシピや型は出てこなかったそうです。
1771年に刊行された辞書のなかに Canole という言葉がでてきます。これは小麦粉と卵黄をつかった小さなパンで、リモージュという町で朝食として食べていると書かれています。
「カヌレ」っぽい名前は出てくるのですが、今のカヌレと同じものかは分かりません。
カヌレっぽい別物
18世紀頃にカヌレという名前のお菓子はあったということは分かりました。しかし、19世紀に入ると、レシピ本のなかにカヌレの作りかたがなくなってしまいました。
しかし、1815年に有名な菓子職人カレムが書いた『パリの王宮パティシエ、または基礎概論と古典と現代のパティスリー実践』のなかにカヌロン Cannelons というお菓子のレシピが載っています。
カヌロンとは折込パイ生地をのばして、フルーツのマーマレードを塗って、生地をつつみ揚げたものでした。
さらに、1873年、パリの料理人であるジュールズ・グーフェ Jules Gouffé が書いた『パティスリーの本』に再度カヌロンが出てきますが、前述のカレムと同じレシピではありませんでした。
同じ折込パイ生地をもちいて、なかにはクレーム・サントノレを塗って巻いて、棒状にしてオーブンで焼いたものでした。
いづれにせよ、今のカヌレとはまったくの別物です。
そして、カヌレを作る人やカヌレという言葉は見なくなってしまいました。
生まれ変わったカヌレ
第一次世界大戦のあと、カヌレは今と同じ形のもの作られるようになりました。パティシエが昔のレシピつかい、現代風にアレンジしてラム酒やバニラで香りをつけたお菓子を作りました。
現在と同じカヌレ型をつかって焼きましたが、だれが考案したのかは分かっていません。
昔から作られていた「カヌレ」っぽいお菓子の名前をとって、ボルドーの特産のワインを作る際に余る卵白をつかい、ボルドー港に到着するラム酒やバニラを加えて新たな「カヌレ」というお菓子をつくったのかもしれません。
Canelé カヌレの情報
名前 | カヌレ | ||
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フランス語 | Cannelé | ||
読みかた | カヌレ | ||
分類 | パティスリー Pâtisserie | ||
生地 | - | ||
材料 |
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購入先 | パティスリー Pâtisserie | ||
名産地 | ボルドー Bordeaux |