Kouglof クグロフってどんなお菓子?
干しぶどうの入った甘くてふわふわのパンで、中に空洞のある王冠の形をしたお菓子です。クグロフの頂上にはアーモンドが飾ってあり、表面には粉糖が振ってあります。
フランスではアルザス地方の伝統菓子ですが、現在ではフランス各地のパティスリーなどで見られるお菓子となっています。
アルザス地方ではクーグルポブフ Kugelhopf といい、ドイツ語で「球」を意味する Kugel と「ホップ、酵母」の Hopfen を合わせたアルザス語が語源となっています。
現在のクグロフはパンを作るイースト菌を加えて膨らましていますが、18世紀まではビール酵母をつかっていました。
クグロフの親子孫かんけい
クグロフは元々オーストリアやポーランドで古くからあったお菓子でした。
中世末からドイツ周辺のルクセンブルク、スイス、オーストリア、ポーランドなどの国、フランスではアルザス、ロレーヌ、フランドル地方でつくられていました。クグロフは結婚式や洗礼式といったハレの日に食べていました。
18世紀のルイ15世の時代、ポーランド出身のロレーヌ公国のスタニスラス王もクグロフと食べていました。
オーストリア出身のマリー・アントワネットはクグロフを子どもの頃から食べており、フランス宮廷にも広めたと言われています。彼女の『パンがないならお菓子を食べればいいじゃない』という有名なセリフのお菓子はクグロフを指しているともいわれています。
クグロフはババやサヴァランの元になったお菓子といわれています。つまり、お父さんがクグロフで、子どもがババ、孫がサヴァランという親子関係です。
ババとは干しぶどうの入っていないクグロフをラム酒入りのシロップに漬け、生クリームを添えたお菓子のことです。
前述のスタニスラス王が乾燥したクグロフをラム酒をかけて食べたことにより、ババが誕生しました。
サヴァランはドーナツ状のクグロフ生地をラム酒入りのシロップに漬け、フルーツやカスタードクリームを絞ったお菓子です。
19世紀のパリで、ババを元にしてサヴァランが考案されました。
型に穴があいているのはなぜ?
クグロフを作る際にはクグロフ型といわれる陶器の型をつかいます。この型は円錐型でまわりにひねったような溝模様がはいっていて、中には縦に穴があいています。
なぜ中に空洞があるのかというと、熱伝導をよくするためです。
穴がないと、型は高さもあり分厚いため、中まで火を通すのに時間がかかってしまい、外は焦げて中は半生になってしまいます。そのため中まで均一に火を通りやすくするために空洞をあけました。
クグロフ型はバ=ラン県 Bas-Rhin のスフレンアイム村 Soufflenhiem の赤土を使って作る陶器が有名です。生地を焼いた後に繊細なお菓子の香りが長く残るのが特徴です。
現在では、金属のクグロフ型もあります。
クグロフの誕生話のつづきをみてみる
Kouglof クグロフの情報
名前 | クグロフ | ||
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フランス語 | Kouglof | ||
読みかた | クグロフ | ||
分類 | ヴィノワズリ Viennoiserie | ||
生地 | ブリオッシュ生地 Pâte à brioche | ||
中身 |
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材料 |
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購入先 | パティスリー Pâtisserie | ||
名産地 | アルザス地方 Alsace |