Macaron de Nancy マカロン・ド・ナンシーってどんなお菓子?
マカロン・ド・ナンシーとは表面が固くひび割れしていて、なかみはやわらかい食感のマカロンのこと。紙の上に生地を絞り、その紙がついたまま販売しているのが特徴です。
マカロンというとカラフルな色の生地の間にクリームが挟まったものを想像するかもしれませんが、フランスの各地に昔から作られていたマカロンが存在しています。
マカロン・ド・ナンシーもそのひとつです。
マカロン・ド・ナンシーが誕生するまでのお話
マカロンはもともとイタリアで作られていました。
ルネサンス期の1533年、フィレンツェのカトリーヌ・ド・メディシスとフランスのアンリ2世と結婚しました。その際、彼女のパティシエを伴ってフランスに嫁入りし、それをきっかけにフランスでマカロンが広まっていったと言われています。
その後、カトリーヌ・ド・メディシスの孫であり、シャルル3世の娘であるキャサリンがナンシーに修道院を建てました。
中世時代の修道院では金曜日や四旬節に肉を食べることが禁止されていました。特に、この修道院では厳しい食事制限が取られていたため、栄養を補給するためにお菓子を作って食べていました。
フランス革命時に修道会の解散が命じられました。
1772年4月5日、ふたりのベネディクト会の修道女が追い出されてしまい、信者である医者 ドルマン Gormand の家に隠れていました。その修道女はマリー・エリザベス Marie-Elisabeth とマルグリット Marguerite といいました。
彼女らはお礼にマカロンを作り売り出し、するとたちまち評判となっていきました。彼女らはマカロンしまい(レ・スール・マカロン Les sours Macarons)と名付けられました。
ヒミツのレシピ
それ以降、そのマカロンのレシピは秘密にされたままです。
1952年、ナンシー市は本物のマカロンが生まれた場所として通り(10, rue de la Hache)の一部に彼女らの名前を与えました。
マカロンが生まれた場所
マカロン・ド・ナンシーは、生地を紙の上に直接絞り、オーブンで焼き、シートがついたまま販売しいています。7cmくらいの大きさで、つるりとした表面ですが全体的にひび割れしています。
アーモンドと砂糖、卵白とシンプルな材料を使ったナンシーのマカロンは、中はしっとりとした食感になっています。
製作しているシェフによると、紙の下から湯気を当てたり、マカロンをコーヒーの湯気で数秒温めるとマカロンのやわらかさが復活するとのこと。
その当時のマカロンのレシピを今でも引き継いでいる本物のマカロンは、スタニスラス広場の近くのナンシーの町の中心にある Maison des soeurs macarons メドン・デ・スール・マカロン という名前のお店で購入することができます。
ふたりの修道女からマカロンの作りかたが始まって以来、いくつかの家族が継承し、1991年にニコラ・ジェノ氏 Nicolas GÉNOT が2000年11月に引き継ぎ、現在はジェノ氏の息子さんが跡を継いでいます。
シェフは他の職人や奥さんにさえ、レシピを秘密にしているそうです。マカロンを作るときも厨房にこもりひとりで作っているんだそう。
材料は、プロバンス地方で採れたアーモンド、砂糖、卵白と非常にシンプルなものですが、配合と作りかたは彼だけの秘密です。
この店では1日200~250ダース(2400個以上!)のマカロンを毎日生み出しています。
主に、このパティスリーでマカロン・ド・ナンシーは販売されていますが、ナンシーだとほかのパティスリーやお土産物屋さんなどに置かれています。
Macaron de Nancy マカロン・ド・ナンシーの情報
名前 | マカロン・ド・ナンシー | ||
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フランス語 | |||
読みかた | マカロン・ド・ナンシー | ||
分類 | パティスリー Pâtisserie | ||
生地 | マカロン生地 Pâte à macaron | ||
材料 |
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購入先 | パティスリー Pâtisserie | ||
名産地 | ナンシー Nancy |