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Macarons マカロン – フランス各地で生まれたマカロン勢揃い

マカロン Macarons

マカロンってどんなお菓子?

マカロン Macarons とはアーモンドパウダー、砂糖、卵白を混ぜた生地を丸く焼いた小さな焼き菓子のこと。

マカロンと言うと、カラフルな色のマカロンを2枚重ねにしてガナッシュなどをはさんだお菓子が知られていますが、フランスには各地方に様々なマカロンがあります。

マカロンの歴史と由来

マカロンはイタリアのヴェネツィア地方の方言で「繊細な生地」という意味のマッケローネ Maccherone という言葉が語源となっていると言われています。

ルネサンス時代の1533年、アンリ2世との婚姻をきっかけにイタリアからフランスにマカロンが伝わってきたとされています。

ただ、ロワール地方のコルメリのマカロン Macaron de Cormery は791年に修道院で考案されたものとされており、マカロンの起源はイタリアかフランスかははっきりとしていません。

おそらく、両国でマカロンらしきお菓子は作られており、フランス中に広まったのはカトリーヌ・ド・メディシスの婚姻がきっかけで、マカロンという名前も同時に広まっていったのではないでしょうか。当時のイタリアはフランスに比べるととても洗練された国でした。なので、名前もマカロンのほうがオシャレな響きだったのかも。

マカロンの産地と種類

マカロンはフランスの様々な地方で昔から作られていたお菓子です。

フランス各地にあるマカロンを紹介します。

マカロン・ド・コルメリ Macarons de Cormery

マカロン・ド・コルメリ Macarons de Cormery

[ 引用:https://fr.wikipedia.org/wiki/Abbaye_Saint-Paul_de_Cormery ]

ロワール地方のトゥールの近くにあるコルメリ Cormery にある大修道院で791年に考案されたものとされています。この修道院だけで作ることが許されていました。

ドーナツ状の形を独特の形をしていて、中央の穴は「修道士のヘソ」を指しているともいわれています。

スール・マカロン Soeurs Macarons

ナンシーのマカロン|Macaron de Nancy

マカロン・ド・ナンシーMacaron de Nancy とはフランス北東部に位置するナンシーで生まれたマカロンです。

カトリーヌ・ド・メディシスがフランス王アンリ2世に嫁入りした際にフランスにマカロンが伝わりました。カトリーヌの孫がナンシーに修道院を建て、その修道院だけでこのマカロンが作られるようになりました。

その後、18世紀後半に2人の修道女によって、マカロンは修道院の外に出て、町に広まっていきました。

表面が固くひび割れしていて、中はやわらかい食感のマカロンです。特徴は紙の上に生地を絞って焼き、紙がついたまま販売していることです。

マカロン・ド・ナンシーが誕生した由来をみてみる フランス菓子の由来

マカロン・ド・ムラン Macarons de Melun

セーヌ河上流のムラン Mulan にある聖母マリア修道院で作られたマカロン。

マカロン・ダミアン Macarons d’Amiens

16世紀にカトリーヌ・ド・メディシスがマカロンをフランスにもたらした際に、アミアンでもマカロンが作られるようになりました。

丸く分厚いクッキーのような形で、食感は硬くざらざらしている。アーモンドや砂糖、卵白のほかに蜂蜜やアーモンドオイル、エッセンスを加えている。

マカロン・ド・ブーレイ Macarons de Boulay

ロレーヌ地方のブーレイ Boulay で作られているマカロンで、生地が柔らかいためスプーンですくって形を整えている。

マカロン・ド・サン・ジャン・ド・リュズ Macarons de Saint-Jean-de-Luz

1660年6月9日、ルイ14世とスペイン王の娘であるマリー・テレーズ Marie Thérèse はフランス南西部のスペインに近いサン・ジャン・ド・リュズで結婚式を挙げました。

マリー・テレーズとルイ14世の母であるアンヌは、アダム ADAM というパティスリーの作るマカロンをたいそう気に入ったと言われています。

丸くて平たい形をしており、サクサクとした食感です。

マカロン・ド・サンテミリオン Macarons de Saint-Émilion

サンテミリオンとはフランスの南西部に位置する町で、良質なボルドーワインの産地でもあります。

1620年より、ウルスラ会のラクロワ Lacroix 修道院でマカロンが作られはじめられました。

紙に直接マカロン生地を絞って焼きます。

マカロン・ジェルベ Macarons Gerbet

これが最も認知度の高いマカロンで、カラフルな2つの生地の間にガナッシュなどをはさんだもの。マカロン・ド・パリ Macarons de Paris とも呼ばれるし、単にマカロンというとこれを指すこともあります。

なめらかでツルっとした表面でかりっとした食感、中身はやわらかく繊細なところがほかのマカロンとは異なる点です。

Gerbet とは「重ね」という意味です。

20世紀の初めに、ラデュレの創始者の孫(大甥)であるピエール・デフォンテーヌ Pierre Desfontaines によって考案されました。その後、パリのルノートル Lenôtre やジェラール・ミュロ Gérard Mulot がこのマカロンを普及させていき、ピエール・エルメ Pierre Hermé により広く世界中に広まっていきました。

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