フランス人も大好きな日本の寿司。
わたしの住んでいるリヨンにもたくさんの寿司レストランがあります。フランス人にも大人気です。わたしが日本人なので、フランス人から「SUSHI を作って!」と言われることもよくあります。
わたしと同じように、まわりのフランス人から寿司をお願いされる方も多いんじゃないかなって思います。
パーティのたびに寿司を作っているうちに、海外にいて材料や道具があんまり揃ってなくっても、フランス人の好みな寿司が作れるようになってきました。
フランスで寿司を作る機会のある方、ぜひこの寿司の作りかたを参考にしてください!
では、寿司の作り方を順番に説明していきます。
まずは必要な道具と材料をそろえます。
フランスで寿司を作るのに必要な器具&材料は?
海外で和食を作るときに大変なのが、食材と寿司を作るための道具や材料をそろえること。
寿司の食材&道具はどこに売っているのか
フランスでは寿司はブームになっているので、大きなスーパーには寿司の道具や材料が置いてあるところも少なくありません。
特に、カルフール Carrefour やオーシャン Auchan といった大きなスーパーマーケットには、アジア料理コーナーがあり、寿司の材料や道具が置いてありますよ。
わたしが確認したものは、
- 寿司海苔:Algues grillées
- 日本米::Riz japonica
フランスにも米が売られていますが、ジャポニカ米が日本の米と同じです。「Riz Japonica」「Pour Sushi(スシ用)」って書かれてます。日本の米と比べると味や風味は残念ながら劣りますが、まずいと言うことはなく、普通に食べれますので安心してください。日本米に比べると、水分量が少ないようです。
- 米酢:Vinaigre de riz
寿司に使う酢は米酢です。寿司には日本と同じ米酢がいいですが、ワインビネガー(赤でも白でも)でも味はさほど変わらなかったです。むしろ、フランス人にとってはワインビネガーのほうがなじみがあっておいしく感じるかもとも思います。
- 醤油:Sauce soja
- ガリ:Gingembre
- わさび:Wasabi(フランスではワザビと発音してます)
- 巻きす: Rouleau de Sushi
巻きすも売ってましたよ。しかも1ユーロ!とりあえず、寿司海苔と巻きすがあれば、どうにか寿司は作れそうです。
材料がそろったところで、ごはんを炊いていきましょう。
ごはんの炊き方
ごはんを炊くための道具
- 蓋付き鍋:直径20cmくらいのものが使いやすいです
- 秤(デジタルスケール)
ごはんを炊く材料
- 米(ジャポニカ米)
- 水
フランスには、ジャポニカ米以外にも細長い米や香りのついた米などが売られています。選ぶ際にはJaponica(ジャポニカ)と書かれたものが日本の米と同じ種類です。
材料の配合
米を鍋で炊く場合の割合です。
米用の計量カップの場合、一合は180ccとなりますが、重さは150gです。日本では米用の計量カップを使って計りますが、フランスにいて一合カップがない場合は重さを量ります。
☆米2合の場合
- 米:300g
- 水 :450ml(45cl)
☆米3合の場合
- 米:450g
- 水:650ml(60cl)
☆米4合の場合
- 米:600g
- 水 :900ml(90cl)
☆米5合の場合
- 米:750g
- 水 :1100ml(110cl)
日本産の米を使って炊飯器で炊く場合よりも少し水の量は多めにしています。フランスにあるジャポニカ米は少し乾燥していますし、鍋を使うため水の蒸発も多くなるためです。
ごはんの炊きかた
1. 米を洗います。
最初の水を入れたら、米を研がずそのまま水をこぼします。次は水を加えずに米を研ぎ、水を加え、水が透明になるまで水ですすぎます。
水道水でも構いませんが、どうしても気になるという方はミネラルウォーターを使ってください。ボルヴィックは軟水なので、日本の水と似ています。
2. 米を水に浸け、水を吸わせます。1時間くらいは置いておきます。
日本の米と違って、米自体の水分量が少ないので、事前に水を吸収させたほうがうまく炊けます。
3. 水を切った米を鍋に入れ、分量の水を入れます。
4. 中火にかけ、沸騰まで待ちます。
5. 沸騰してきたら、火を極弱火にして、12分待ちます。
いちばん弱い火にしてください。強いと鍋底におこげができます。
6. 12分経ったら、火を止め、蓋をしたまま10分置きます。
最後に10分蒸すことで、米の心まで火が通ります。蒸らさないと中まで火が通らず、心が残ったごはんになります。
つぎは、寿司飯をつくります。
寿司飯の作りかた
すし酢を作ります。ごはんを炊いて、蒸らしている間に作るとちょうどいいタイミングです。
すし酢の材料と配合
基本のすし酢の配合です。酢を多めにした配合にしています。
わたしは甘めのすし飯が好きなんですが、フランス人は酸っぱさを好むようです。フランス人にとって米は野菜や付け合わせの感覚を持っているため、米には甘さよりも酸っぱさが合うんだそうです。
☆米2合の場合
- 米酢:大さじ6(90ml)
- 砂糖:大さじ3
- 塩:小さじ1/2
☆米3合の場合
- 米酢:大さじ9(135ml)
- 砂糖:大さじ4
- 塩:小さじ2/3
☆米4合の場合
- 米酢:大さじ12(180ml)
- 砂糖:大さじ6
- 塩:小さじ1
☆米5合の場合
- 米酢:大さじ15(225ml)
- 砂糖:大さじ7
- 塩:小さじ1+1/3
すし酢の作りかた
1. 材料をすべて小鍋に入れて、火にかける。
2. 砂糖と塩が溶けたら、火を止める。
3. 炊きたてのごはんに加え、しゃもじで米を切り混ぜる。
すし飯をうちわなどで扇いで冷ましましたら、できあがりです。
いよいよ巻き寿司を作っていきます。
巻き寿司の作りかた
巻き寿司・のり巻きの作りかたです。
フランスでは巻き寿司のことをMAKIっていいます。フランスでも巻き寿司はよく知られている人気者です。
フランスで作る巻き寿司の具材
フランスで手に入りやすく、フランス人にも好評な具材です。
- 海老 Crevette
- スモークサーモン Saumon fumé
- すりみ(かにかま) Surimi
- ツナ Thon
- 生魚 Poisson cru
- アボカド Avocat
- きゅうり Concombre
- 卵焼き Omelette
- レタス Salade
- マヨネーズ Mayonnaise
材料の選び方はなんでもいいんですが、彩りだけは絶対に重視しましょう。
赤(海老・サーモン・かにかま)、黄色(卵焼き)、緑(アボカド・きゅうり・レタス)、黒(海苔)、白(すし飯・かにかま)とカラフルに食材をそろえるとおいしそうに見えますし、彩りに驚いてもらえますよ。
日本でわたしの住んでいた地域では「レタス巻き」っていう名前の巻き寿司があるんですが、レタス+海老+マヨネーズっていう組合せなんです。マヨネーズはフランス生まれのソースだし、好きになってくれるフランス人も多いです。おすすめです。
フランス人は寿司に生魚を期待してない!?
フランスで寿司というと魚はサーモンがメインです。レストランに行ってもスーパーに売っているお寿司もピンク色のサーモンが並んでいます。
寿司はフランスで人気ですが、サーモン以外の生魚が使われることはほとんどありません。なので、生魚を寿司に使ってもフランス人が好むとは限らないんですよね。やっぱり苦手な人もいるようです。作るときには気をつけてくださいね。
寿司に生魚を使うってことは知っているけど、さほど生魚を寿司に期待してないんじゃないかなって思ってます。
また、フランスでも生で食べれる魚は売られてはいますが、日本人の感覚で言うとあまりおいしいとは言えません。少し生臭さがします。
もし、生魚で用意する場合は、スズキ(Bar)やマグロ(Thon)がおすすめです。
巻き寿司の作りかた
1. 巻きすを敷き、その上に海苔を置く。
2. 海苔の上にすし飯を広げる
すし飯の量を少なくして、具材を多めにして巻くようにすると、具材が華やかに見えます。
また、日本では太巻きを食べても海苔を噛み切れるのですが、フランス人は海苔を噛み切るのに慣れていません。なので、太巻きではなく、一口で食べれるサイズにすることをおすすめします。太巻きにすると、海苔を噛み切れずに苦戦する人や具を落としてしまう人がいますよ。
3. 具材を手前に並べる
4. 巻きすを使って、海苔を巻いていく
5. できあがったのり巻きは時間をおいて休ませる
すぐに切ると、具材とすし飯がバラバラとほどけてきます。30分程度休ませましょう。切るときは、包丁を布巾で濡らして切るとキレイに切れます。
つぎは、手まり寿司を作っていきます!
手まり寿司の作りかた
フランス人が知っている SUSHI は、MAKI(巻き寿司)とにぎり寿司です。なので、にぎり寿司を作ってと言われることもよくありますが、にぎり寿司を握るのって普通の人にはかなりハードルの高いんです。
そんなときに手まり寿司はぴったりです。
にぎり寿司っぽく見えるし、華やかな印象になります。
フランスで作る手まり寿司の具材
フランスで手に入りやすい食材です。
- 海老 Crevette
- スモークサーモン Saumon fumé
- 生魚 Poisson cru
- 薄焼き卵
- シブレット Ciboulette
薄焼き卵は型抜き器で円の形にくり抜きました。
海老は縦に切っています。すし飯の上にのせるとき、海老の厚みがあると丸く形がおさまらないので、2枚に切って、それを何枚も重ねるようにしました。
手まり寿司の作りかた
- 小さな器を準備して、その上にラップを敷きます。
2. 適当な量のすし飯をのせて、ラップを絞ります。
ごはんの量は大さじ3〜4くらいの少なめがおすすめです。巻き寿司と同様、一口で食べれるサイズがおすすめです。
3. すし飯を握って丸い形ができたら、ラップをほどきます。すし飯の下に寿司の具を敷きます。
4. ラップですし飯を握り、形を整えます。
少し力を入れて、ぎゅっと握るとラップを外しても形がくずれません。ラップに入れたまま、少し時間を置くと落ち着いてくれます。
わたしの周りのフランス人は、ナイフとフォークでキレイに切って手まり寿司を食べています。最初に見た時はびっくりしました。
シブレットを飾るとぐんと彩りがぐんと華やかになります。
手まり寿司にすると外国人が考える sushi っぽくなりますね。
まとめ
フランスで寿司を作るのは、意外にハードルは高くないです。スーパーに道具や材料は置いてますし、具材も身近にあるもので大丈夫です。
ぜひ、フランスでも寿司を作ってみてはいかがでしょうか〜。
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