今年2017年はフランスの大統領選挙が行われる年です。今、毎日が大統領選挙のニュースばかり流れています。
ただいま、わたしはフランスに滞在1年目で、フランス大統領選挙を実際に見るのも初めてです。正直、外国人のわたしには選挙権はありませんのでまったくの他人事ではあるのですが、フランスの大統領選挙はもとより政治のことは高校生でも知っている一般常識なので、ぜひこの機会に知っておきたいと思いました。
今年のこの機会を逃したら、次の大統領選挙は5年後です。1年目の今年は大統領選挙のことを知らなくったって別に恥ずかしくはないのですが、今から5年後に、フランスに5年間も住んでいるのに大統領選挙のことを知らなかったら、完全なる一般常識のない恥ずかしい外国人になってしまうのではっということに気づきました。
フランス滞在の浅いうちにフランスの政治、大統領選挙をおさえておきたいと思います。
と、わたしと同じ状況の方もいると思うので、今回はフランスの大統領選の仕組みについて、ちょっと興味を持って勉強してきたのでおさらいのためにまとめました。
では、行ってみましょう♪
フランス大統領選挙とは?
フランスの大統領の任期は5年です。現在のフランス大統領 Le président de la République はフランソワ・オランド大統領、その前がニコラ・サルコジ氏でした。
大統領選の候補者になるための条件?
フランスの国籍を持っている18歳以上の国民はだれでも被選挙資格がありますが、少なくとも30県以上から500人の推薦人(市町村長、ヨーロッパ議会、国会、地域圏議会、県議会などの議員)を集めなければなりません。
投票権は?
18歳以上のすべてのフランス国籍者が投票できます。外国人・移民には投票権はありません。
投票の手順は?
フランスの大統領選挙は2回投票制です。第1回投票で選出されるには、投票総数の50%以上を獲得する必要があります。どの候補者も過半数以上を得られなかった場合は、上位2人の候補者の間で第2回投票が行われます。その結果、最も多くの票をを得た候補者が当選となります。
2017年の投票日は第1回目投票が4月23日(日)と第2回目投票が5月7日(日)、投票時間は8時から18時まで(大都市では20時まで)となります。
まずは右派・左派の代表を決める選挙から
まずは、現大統領の属していない党派から代表を決める選挙が始まります。フランスには右派 Parti droite と左派 Parti gauche があります。現大統領オランド氏は左派に属しているため、右派の代表から決め始めます。
右派の代表選挙
党派の代表を決める選挙を Élection primaire といいます。
第1回目投票(11月20日日曜)
昨年2016年秋になったころに候補者のテレビで特集が組まれたり、各地での選挙活動が始まります。候補者は第1回目の投票日の前週の木曜日にテレビの生放送で討論 Débat を行います。それらを元に11月20日に投票を行います。
18歳以上の国民全員に投票権はありますが、党独自の選挙なため投票者は2€の料金を支払らなけれなりません。投票の運営をしているのはボランティア(候補者の支援者など)なんだそうです。
主な候補者: 候補者は7名ですが、主な候補者のみ。
- François Fillon(フランソワ・フィヨン)氏:サルコジ大統領のときの首相
- Alain Juppé(アラン・ジュペ)氏:ボルドー市の市長
- Nicolas Sarkozy(ニコラ・サルコジ)氏:前大統領
- Nathalie Kosciusko-Morizet(ナタリー・モリゼ)氏:唯一の女性候補者
投票前の世論調査ではジュペ氏・サルコジ氏の順で支持率が高かったのですが、投票を終えてみるとフィヨン氏が圧倒的に高かったんです。世論調査って当てにならないねっていう話題になってました。わたしは表と裏の顔があるフランス人って怖い〜って思ってましたけど。
結果は、フィヨン氏とジュペ氏が1・2位で決選投票に残ります。
第2回目投票(11月27日日曜)
1回目と同様に前週の木曜日に候補者2名でテレビの生放送で討論を行い、翌日曜日に投票。ここでも2€支払う必要があります。
結果は、フィヨン氏 66,49%/ジュペ氏 33,51% でフィヨン氏が勝利し、右派の大統領選の候補者となりました。フィヨン氏は Les Répblicains という党に所属しています。
左派の代表選挙
年が明けて2017年になると左派の候補者を決める選挙が始まります。
通例では現大統領も候補者として立候補するのですが、オランド大統領はあまりにも支持率が低かったため辞退。そのときの首相であったマニュエル・ヴァルス氏は大統領選に立候補したかったので(っていう発言はしてなかったけど態度でバレバレ)、オランド大統領の辞退を待ってました。
現大統領と現首相は同時に候補者にはなれないっていう決まりのようなものがあるんだそうです。オランド氏が辞退しら、すぐにヴァルス氏は首相を辞任して立候補しちゃいました。ちゃっかり〜
候補者が決まるまでの流れは右派のときとほぼ同じです。
第1回目投票(1月22日)
前週の水曜日にテレビの生放送で候補者7名で討論があり、翌日曜日に投票があります。左派の場合は1€を支払います、右派の半額です。
主な候補者;候補者は7名ですが、主な候補者のみ紹介。
- Benoît Hamon(ブノワ・アモン)氏:2012年の Ministère de l’Éducation nationale(文部大臣)
- Manuel Valls(マニュエル・ヴァルス)氏:ついこないだまで首相だった
- Arnaud Montebourg(アルノー・モントブール)氏
予想通り、決戦に残ったのはアモン氏とヴァルス氏。
第2回目投票(1月27日)
前の週に残った2名で前週の水曜日にテレビの生放送で討論を行い、日曜日に投票。同じく1€が必要。
アモン氏58,70%、ヴァルス氏41,30%でアモン氏が当選し、左派の代表となる。ブノワ・アモン氏は Parti Socialiste という党に所属しています。
2017年フランス大統領選の候補者
今のところ決まっている大統領選挙の候補者です。こちらのほかにも立候補している人がいます。ほかにも今から立候補する人もいるんだそうです。
*名前:党名で書いてます。
- François Fillon フランソワ・フィヨン氏:Les Républicains
- Marine Le Pen マリン・ル・ペン氏:Front National (極右)
- Benoît Hamon ブノワ・アモン氏:Parti socialiste
- Jean-Luc Mélenchon ジャン・ルク・メランション氏:Parti Communiste
- Emmanuel Macron エマニュエル・マクロン氏:無所属ですが、«En marche!» という運動組織を作っています。
ただ、2017年2月3日現在、フィヨン氏は奥さんPénélope が不正にお金を受け取っていたっていう疑惑の中にいるため、もしかしたら候補者を辞退するかもっていう状態です。
この続きの第1回目投票までの各候補者の動向は「フランス大統領選挙2017|第1回目投票までの各候補者の動向をまとめてみました。」をご覧ください。
どうなるか分からなくなってきたフランス大統領選。目が離せません!
国の代表である大統領を国民が直接選ぶって盛り上がりますね。
これから大統領選挙の動きがあったら、勉強してまとめて行きたいと思います。ではまた!
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