わたしはフランスの地方にある地方特有のお菓子が好きです。
なので、本などで情報を収集したり、実際に旅して各地のお菓子たちを追っかけてきてたので、フランスの地方にあるお菓子は知っているほうかなぁって思っていたんですが、この前、まだ知らないお菓子を見つけました。
南フランスのランドック・ルシオンという地方にあるベジエ Béziers という小さな町にある ラ・コック la coque というお菓子です。お菓子というかパンというか微妙なとこなんですが…。昨年末のクリスマスバカンスのときにみつけました。
日本ではまだまったく知られていない ラ・コック la coque というお菓子を全力で紹介していきます。
ベジエ Béziers ってどんな町?
フランス南西部にある町で人口は7万人超。小さな町と言っていますが、TGVは停まるし、フランスでは中規模の町のたぐいに入ります。

ベジエの位置
世界遺産であるミディ運河が流れていて、それを利用した交通の要所として昔から栄えていました。
テラスの装飾が美しくて、古いけど状態の良いアパルトマンが多く残ってりいて、昔はブルジョワの町としてお金持ちの住む町だったそうです。駅の近くに大きなショッピングモール(リヨンのより規模が大きいかも)があるし、駅から中心地までは歩いて行けるほどの距離。市役所もその周辺も美しく清潔感のある新しい町。
冬でもさほど寒くはならないし、海は近いし、住むのにサイコーの土地なんだろうなっていう印象。レストランもリヨンと比べると安く美味しい物が食べれるし(←そこ?)、住みたい!
ラ・コックが生まれた歴史
3世紀に、アフロディーズ(Saint Aphrodise)がキリスト教を広めるために、エジプトからベジエにやってきました。彼はらくだを一頭連れてきました。ベジエの人々は彼を歓迎して迎え入れました。
数年後、彼が亡くなり、らくだが残されました。彼のらくだは町の人々で面倒を見ることにしました。

らくだもうれしかったはず
その後、アフロディーズが聖人として正式と認められ、毎年ベジエでは聖アフロディーズの祭りが開かれていました。そのお祭りで食べられていたのが、この ラ・コック la coque です。
ラ・コックってどんなお菓子?
そもそもラ・コックってどんなお菓子なんでしょうか?
わたしも観光局のおじさんから名前だけを教えてもらっただけで、どんなお菓子かはまったく分からなかったので、最初に出会うまで楽しみでした。
ヴィノワズリー
ラ・コックは甘いお菓子ではあるけど、どちらかというとパン屋さんに置いてあり、ヴィノワズリーにあたります。ブリオッシュみたいな感じでふわふわしています。
材料は?
小麦粉/砂糖/バター/たまご/牛乳/塩/酵母/オレンジ水
材料はブリオッシュの材料で、オレンジ水(オレンジの香りがついた水)を加えているところが南フランスっぽいですね。
形は?
ラ・コックの形は日本のコッペパンのような細長い形をしていますが、実は作るとき、パン生地をくっつけて焼いています。

長さは手のひら大の15cm程度
なぜ、くっつけて焼くのかというと、聖アフロディーズの連れてきたらくだに由来しています。らくだのこぶに見せるために、パンをくっつけてこぶのようにして焼いているんだそう。
パン屋さんでもくっついたままディスプレイされてて、買うときに一個ずつはがしてくれます。

側面にはがしたあとが残ってるでしょ
フランスのパンはぱさついていることも多く、日本のパンみたいにふわふわなタイプってなかなかお目にかかれないんですが、このパンはしっとりとしてました。オレンジ水の効果なのかな?

断面
ふわふわしているし、オレンジの香りはいいし、大好きになったお菓子です。3個くらいは食べれる。
観光局のおじさんも「このお菓子はすっごくおいしいんだよ〜!」って絶賛してたのもわかる。
まとめ
実際に小さな町でも旅行して探してみるものだなっておもいました。ベジエの人たちはもちろん、その町周辺に住んでいる人にきいてもよく知っているお菓子なんだそうです。そんな知られているお菓子を見逃してたなんて悔しいわ〜。
ネットや本だけの情報には載ってないフランスの地方にあるお菓子たち。実際に足を運ばないと見つからないこともあるのねと。
もし、南フランスのベジエにいく機会がありましたら、ぜひ ラ・コック la coque を食べてみてねー。
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