パリ=ブレストとはリング状のシュー生地を横半分に切り、中にクレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネをはさんだお菓子のこと。1891年にパリ-ブレスト-パリ Paris-Brest-Paris という自転車レースを記念して作られたケーキです。
クレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネ Crème mousseline au praliné とは、クレーム・パティシエール Crème pâtissière にバターとプラリネペーストを加えて混ぜたクリームです。
まずは、クレーム・パティシエールをつくり、シュー生地を焼き、その間にクレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネをつくり、最後に組み立ててつくります。
材料
クレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネの材料
牛乳 500g | 500g de lait |
バニラ棒 1本 | 1 grosse de vanille |
卵黄 80g | 80g de jaune d’oeuf |
砂糖 130g | 130g de sucre |
小麦粉 30g | 30g de farine |
片栗粉 30g | 30g de fécule de maîs |
バター 250g | 250g de beurre |
プラリネペースト 125g | 125g de praliné |
- バニラ棒はなければ省略してください。
- 卵黄はMサイズの卵4個分です。
- 片栗粉がなければ、小麦粉を60g使用してください。
プラリネペーストとはナッツ類を砂糖と練り合わせ、ペースト状にした製菓材料です。Amazonや製菓材料店で購入できます。
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アーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類の割合や砂糖の割合はメーカーによって異なり、色味も違います。薄い茶色のプラリネペーストだと、クリームも淡いベージュ色になります。
上記のプラリネペーストだと濃いめの色ですので、ほかのクリームと合わせた際に色が飛ばずにプラリネの存在感のある色になります。
シュー生地の材料
*小さなパリブレスト8個分 + 直径16cm1台分
水 250g | 250g d’eau |
バター 100g | 100g de beurre |
塩 ひとつまみ | 1 pincée de sel |
小麦粉 150g | 150g de farine (T55) |
卵 200g〜250g | entre 200 g et 50g d’oeuf |
アーモンドスライス 適量 | des amandes effilées |
- 卵はMサイズ(フランスではMoyenサイズ)であれば、4〜5個分です。常温に出しておきます。
- バターは細かく切っておきます。
- 塩は必ず加えてください。塩は味や色づけだけでなく、生地の中の湿気を調節してくれる役割があります。
- アーモンドスライスは好みで加えてください。
道具
- 鍋
- ヘラ
- スケッパー
- 卓上ミキサー&泡立て用ビーター(Feuille)
- 絞り袋
- 口金(サイズ12)
- 刷毛
- 小鍋(15〜20cm)
- 泡立て器
- ボウル
- ラップ
- 皿
- 保冷剤(あれば)
- 卓上ミキサー(平面ビーター) or ハンドミキサー or 泡立て器
- ゴムベラ
- 口金丸型 14番
- 口金カヌレ型 8番
シュー生地やクリームを混ぜる際には卓上ミキサー(キッチンエイド)をつかっています。手動で混ぜる場合は力を込めて混ぜてください。
準備
クレーム・パティシエールは卵黄を沸騰煮沸せずに作るため、菌が繁殖しやすい状態にあります。作るときや保存に注意を要するクリームです。
- 道具をきれいに洗っておきます。
- 皿にラップを敷いておきます。
- バターは使う30〜60分前に冷蔵庫から出しておきます。
- オーブン紙に直径16cmの円/直径7〜8cmの円型を8つ書いておきます。
クレーム・パティシエールの作りかた
まずは、クレーム・パティシエールから作っていきます。このクリームは冷やした状態でつかうため、実際にクリームが必要な時間の1〜2時間前には準備しましょう。できたてのクレーム・パティシエールは非常に熱いです。
牛乳とサヤから削げとったバニラ粒を小鍋に入れ、中火にかけます。
鍋を温めている間に、ボウルに卵黄を砂糖を入れ、泡立て器ですり混ぜます。
白っぽくなるまで混ぜます。
ボウルに小麦粉・片栗粉を加え、あらためて混ぜ合わせておきます。
牛乳がぷくぷくと沸騰してきたら、すぐに火から外します。沸騰がはじまったら1分以内に火から外してください。
卵液の入ったボウル(上記)に1/3量を加えて混ぜ合わせます。
この混ぜた生地を残った牛乳の入っている鍋に戻します。
鍋を中火にかけ、泡立て器でかき混ぜながら、生地に火を通していきます。常に泡立て器でかき混ぜます。最初はゆるい生地ですが、しだいに粘りが出てきて混ぜにくくなっていきます。
生地が沸騰する「ぶくっ」としてから1分間混ぜ続けます。ここで卵を低温殺菌させます。ただ完全に卵に火が通るわけではないため、取り扱いを注意しないといけないクリームなのです。
さらに広げたラップの上にクリームを入れ、ラップの中には空気が入らないように密封します。空気が入らないようにするのはクリームが酸化するのを防ぐためです。
すぐに冷蔵庫にいれます。できれば、保冷剤を密着させ、急速に冷やします。
冷やしている間にシュー生地を作ります。
シュー生地の作りかた
オーブンを180℃に予熱しはじめます。また、絞り袋に口金を入れ、オーブン板にシートも敷いておきます。
シュー生地ができて、絞ったらすぐに焼けるようにすべての準備しておきます。生地は水分を多く含んだ生地ですので、オーブンの中に湿気があると生地がふくらみません。
鍋に水、塩とバターを入れます。火にかけ温めていき、数秒だけ沸騰させます。
鍋を火から外して、小麦粉を一気に加えます。
弱火にかけ、ヘラでかき混ぜます。乾燥させるために、生地を力強くかき混ぜます。
生地がヘラにも鍋の側面にもつかなくなったらOKです。この状態の生地のことを製菓用語で Panade パナッド といいます。
生地を鍋から取り出し、ミキサーのボウルに入れ、泡立て用のバーターをつけます。
ミキサーの速度を中間5に合わせ、生地を乾燥させるために混ぜます。生地から湯気が出なくなるまで混ぜます。
別のボウルに卵を入れ、軽く混ぜ合わせます。
ミキサーをまわしながら、卵液を少しずつ加えていきます。卵は一気に加えてはいけません。
最初は生地はスクランブルエッグのようになるのですが、混ぜるうちになめらかな生地になっていきます。
こちらはまだ生地が乾燥しています。
卵が冷たいと、生地が上手くまとまらずに失敗します。卵は常温のものをつかいましょう。
リボン状でなめらかで艶が出た生地になったら、卵液を加えるのをやめます。生地のできあがりです。
その時の状態にもよりますが、卵230g〜240gでちょうどいい固さになります。
残った卵液は、生地を焼く前に塗るためにつかいます。
口金(14番)を絞り袋につけ、生地を中に入れます。
直径16cmの円をかいた紙の裏側にして、シュー生地をその円の内側に1周、そのさらに内側に1周、その2つの円の上に1周シュー生地をしぼります。
また、直径7〜8cmの円型に8つしぼります。
絞った生地の表面に卵液を刷毛で塗ります。やさしく塗らないと生地に跡がついてしまいますので気をつけます。
アーモンドスライスを好みで散らします。
180℃のオーブンに入れ50分焼きます。焼き時間はシュー生地の大きさによって異なります。焼き色がつき、裏側にも焼き色がつき、生地が軽くなっていたら焼き上がりです。
焼いたシュー生地は網の上にのせて冷まします。
クレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネの作りかた
クレーム・パティシエールが冷えたら、クレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネを作りはじめます。クレーム・パティシエールにバターとプラリネペーストを混ぜ合わせて作ります。
ボウルにバターを入れ、平面ビーターをつけて混ぜ合わせます。ハンドミキサーの場合はミキサーで混ぜます。手動の場合は泡立て器で混ぜます。バターの粒が完全になくなるまでバターをなめらかにします。
クレーム・パティシエールはつかう直前まで冷たい場所に置いておきます。クレーム・パティシエールは28℃を超えないように保存しましょう。細菌の繁殖しやすいクリームですので取り扱いに注意しましょう。
クレーム・パティシエールを少しずつ加え、バターと合わせていきます。少しずつ加えないと、バターが一気に冷やされ固まってしまいます。
ボウルの縁にクリームが飛んでいたら、都度ゴムベラをつかってクリームと合わせます。
クレーム・パティシエールをすべて加え、バターとしっかり混ぜあわせます。これがクレーム・ムスリーヌです。
つぎに、そのままのボウルにプラリネペーストを加えます。どちらも油を含んでいるため、合わさりやすいです。
クリームがなめらかになったらできあがりです。これがクレーム・ムスリーヌ・オ・プラリネです。口金(8番)をつけた絞り袋に入れておきます。
パリ=ブレストの組み立て
焼いたシュー生地を水平に切ります。真ん中より少し上を切るときれいにクリームが詰めれます。
底部分のシュー生地にクリームを絞っていきます。まず、底にクリームを絞り、次に表面に絞り形が見えるように、最後に高さを出すためにクリームをしぼります。
上部分のシュー生地を重ねて、粉糖をふったらできあがりです。
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