フランスに住んで1年が経ちました。初々しさの残る今だからこそ見えてきた、わたしが考えるフランスを紹介したいと思います。
フランスは恋愛大国っていうイメージですが、それは住んだ今も変わらず同じ。フランスが愛の国って呼ばれるのは自由で寛容な社会の雰囲気があるからかなぁと思えてきました。
フランスのカップルって日本のとちがーう!わたしが会ってきたフランス人のカップルを5パターン紹介します。
結婚
フランスの婚姻率は35%(2016年)ですが、わたしの周りの30代〜40代は結婚しているパターンが多いです。
結婚したカップル
奥さんが20代前半の若いときに結婚して、子どもを2人もうけて今も仲良くしているカップルがいます。もうすぐ子どもも一人前になる予定。これがまぁまぁ日本でいうところのフツーのパターンでしょうか。あたりまえですが、フランスにも結婚して、子どもをもうけてそれからもずっと一緒にいるカップルももちろんいます。珍しくはないです。
若いときに結婚して離婚、今は恋愛を楽しむパターン
でも、フランスだなぁって感じさせられるパターンもあります。わたしの知っているのは今50〜60代で、若いときに普通に結婚し、子どもをもうけ、成人したころに円満離婚。夫婦で20年くらい仲良く一緒にいたし、子どももちゃんと一人前にして親としての責任は果たした。だからこれからはお互い自由に生きましょうっていう理由で円満に別れたそうです。
今ではそれぞれで恋愛を楽しんでいるっていうパターン。
特に女性のほうは結婚や同居の願望があるわけではなく、ただ恋愛を楽しんでいるだけ。男性はちょっと結婚か同棲はしたいみたい。
あるアラフィフの女性はここ1年で片手では足りないくらいの彼氏ができていました。彼女はアパルトマンも購入しているし、仕事もあるし、再婚なんてしたくないんだそうです。だって、恋人と同居したら家事や料理は女性がしないといけないし(この考えはフランスでも結構あります)、週末会って楽しい時間を過ごすだけで十分。彼氏を日常にしたくないんだそうです。現在はヨット持ちの実業家とおつきあい中。
もうひとり、60代の男性も最近彼女ができました。同じ年齢くらいの彼女を求めているので、同じような状況の女性がたくさんいるので比較的簡単に彼女ができるらしい。
50代や60代でも十分に恋人ができるってさすがフランスです。ミーティック(フランスの大手出会い系サイト)を使ったりして出会っているんだそうです。やるな〜
事実婚(パクス)
事実婚、フランス婚とも呼ばれているPACS(パクス)という制度がフランスにあります。知っている方も多いと思います。
パクスとは「異性あるいは同性のカップルが、婚姻より規則が緩く同棲よりも法的権利などをより享受できる、新しい家族組織を国家として容認する制度」のことです。
[ https://ja.wikipedia.org/wiki/民事連帯契約 ]
外国人とフランス人のカップル間ではメリットが大きいため(滞在許可・労働許可等)パクスを結んでいる場合も多いけれど、フランス人の異性同士で結んでいるカップルは、わたしの周りには残念ながらいません。
たぶん、下記のようにパクスなしでも普通にカップルとして成り立っているからかなって思っています。
結婚も事実婚もなしパターン
結婚も事実婚もせず、子どもをもうけて、社会的に問題ないって知ったときにはものすごく驚いた記憶があります。結婚があたりまえ的な考えの日本から来たわたしにはかなりの衝撃でした。
同居25年、子ども2人のカップル
25年以上一緒に暮らして夫婦同然の生活をしていて、大学生の子どもが2人いる50代のカップル。
当然結婚しているのかと思っていたら結婚も事実婚もしてなかったって知ってびっくり。夫婦で子どもがいたら結婚してるって思っちゃうよ。この固定観念がフランスにはないらしい。
医者と弁護士のカップルで収入面に不安がないからかもしれないけど、でも結婚といった縛りもなく、愛情だけでこの関係が続いているっていうことなので理想的なカップルだと思いました。結婚もなにもしていないと別れるのは簡単だと思うんです。
同居もなしで30年のカップル
さらに自由なカップルもいます。わたしがリヨン留学時にホームステイさせてもらったマダムなのですが、彼女はアーティストで会社員の彼氏がいます。20代の頃から恋人同士で30年くらい一緒にいるけど、同居はしていない。
以前、彼氏のほうの田舎のご両親宅へ一緒に連れて行ってもらったんですが、ご両親とも仲良くしてて、嫁以上になじんでました。当然お互いの両親も兄弟も友人も知っている関係です。
同居もなく、恋人の関係を30年も続けられるのは本当にすごい。同居しないから続けられるのかも…?
出産適齢期に子どもを作るカップル
わたしの周りに多いんですがフランス人って合理的だなぁって思っているパターンです。
女性も男性も子どもを持つ適齢期くらいにそのとき付き合っている恋人と子どもを作ります。まだ結婚や事実婚はしない。ただ、自分たちが子どもを持つ適齢期だから、先に子どもを作ります。結婚適齢期はないけど出産適齢期はあるから。
このまま続くカップルもいますし、続かず別れるカップルもいます。
別れた場合は、子どもはお互いで面倒をみます。週ごと、週末だけ、バカンスだけに子どもの面倒を見るのかはカップルでの話し合いで決めます。日本では離婚後、どちらかの親だけが面倒を見ることが多いですが、フランスでは両親が面倒を見るんだそうです。結婚していなくても、社会の対応はしているのと同じです。
そのうち新しい恋人ができます。子どもの面倒をみない日もあるので、恋人との時間も過ごしやすい。
子どもがいつつ、恋人を作るというパターン。ちょっといいとこ取りじゃんって思わずにはいられない。最初っから計画して行動した訳ではなく、結果的にこうなっただけなのですが、今から振り返ると合理的だなぁと。
でも、結婚っていう覚悟は要らないし、女性も出産後も働くことが前提なので、子どもは生みやすいなと。結婚に対する覚悟を待ってたら、出産適齢期を過ぎてしまう可能性もあるし。それが、日本の今なんだけど。
日本とは考え方の違うフランスのカップルに最初は驚いたり、理解できなかったりしましたが、こういう自由で寛容なところがフランスっていう国なのかなぁと思えてきました。
結婚を選ぶのか、事実婚を選ぶのか、何も選択しないのかはカップルの価値観なので、自分たちの状況や考えに応じていろんな選択肢があるっていいなと。
形はどうであれ、カップルの愛情があるってところが一番大切なところ。
おすすめ関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
はじめまして、以前リヨンに住んだことがあります。
フランスでは、現在何ビザでの滞在でしょうか?
またPACSって、フランス人と外国人カップルでメリットが多いということですが今現在、労働許可はもらえるんでしょうか?
労働は不可と聞いていたので。。