リヨンでいちばん有名なお土産お菓子であるクッサン・ド・リヨンというお菓子があります。今回はそのお土産菓子とその生まれた歴史を紹介します。
リヨンのクッションという名前のお菓子
リヨンには coussin de Lyon クッサン・ド・リヨンというお菓子があります。coussin de Lyon とは「リヨンのクッション」という意味です。
ターコイズブルーの鮮やかな色のアーモンド生地(Pâte d’amande パート・ダマンド)の中にキュラソーで香りをつけたチョコレート生地を挟んでいるお菓子です。
小麦粉は使っていないので、コンフィズリー(砂糖菓子)にあたります。
甘みとお酒の強さが引き立っている濃厚なこのお菓子は、コーヒーとの相性が抜群に合うと思います。
リヨン市内にたくさん支店のあるVOISIN ヴォワザンでは、coussin de Lyon クッサン・ド・リヨン がきれいにディスプレイされています。パティスリーやお土産もの屋さんでも買うことができ、わたしが研修していたパティスリーでも売っていました。
リヨン市内ではよく見かける有名なお菓子で、リヨンを代表するお菓子のひとつです。
どうしてクッションの形をしたお菓子がリヨンを代表するのか?
それはリヨンの歴史に関係しているからなのです。クッサン・ド・リヨンができた経緯をみていきましょう。
クサン・ド・リヨンとフルヴィエールの丘の奇跡
リヨンの銘菓クッサン・ド・リヨンの由来にはフルヴィエールの丘と深い関係があります。
14世紀にヨーロッパでペストが大流行しました。人口の1/3~2/3にあたる2,000万~3,000万人が死亡したと言われています。その後、17~18世紀にも何度か流行し、1643年にはリヨンにもペストが発生しました。
その頃、フルヴィエールの丘にはマリア像が捧げられていました。
ペストが広まり始めると、人々はそのマリア像に祈り、「7 libre リーブルのろうそく1本と1枚の金貨をのせた絹のクッション」を捧げました。
※リーブルとは:昔の重さの単位(1リーブル libre = 0.5kg 7 libre = 3.5kg)
時代や地域によって重さが微妙に違っていたらしいですが、libre リーブルが人が1日に必要な穀物の重さを基準にしていたそうです。その7日分ですので、とにかくとても大きなろうそくをささげたということですね。
すると、祈りが通じてペストが治まり、人々は救われました。
この言い伝えにでてきた絹のクッションからクッサン・ド・リヨンが作られました。
作り始めたのはVoisin ヴォワザンという1897年に開店した老舗のコンフィズリーです。クッサン・ド・リヨンが作られたのは1960年のころでした。
それ以降、リヨンを代表するお菓子になり、お土産物としても有名になりました。
おすすめ関連記事
この記事へのコメントはありません。