お菓子の歴史

マドレーヌの由来と歴史|食いしんぼうな王様が認めたお菓子

マドレーヌの名前の由来

わたしは焼き菓子が食べるのも作るのも好きなんですが、その中でもマドレーヌが大好きです。好きなものはマドレーヌができた歴史から知りたくなるものです。

今回は、マドレーヌができた由来を紹介します。

マドレーヌが誕生した由来

1755年、ルイ15世の時代、フランスの東部にロレーヌという公国 Duché de Lorraine がありました。その公国を治めていたのはルイ15世の妃の父親であるスタニスラス王 Stranislas Leczinski でした。彼は美食家で大食漢として有名でした。

スタニスラス王 Stranislas Leczinski

スタニスラス王 Stranislas Leczinski (by wikipedia)

ある日、彼はコメルシー Commercy という町でで宴会を開きました。宴会半ばで厨房の料理人とパティシエがケンカをし、最後のデザートを台無しにして出て行きました。

コメルシー Commercy

コメルシー Commercy (by wikipedia)

しかし、食いしん坊の王様のためにお菓子をださないといけません。困り果てていると、召使いをしていたマドレーヌ・ポルミエ Madeleine PAULMIER が祖母から教わっていたお菓子生地をホタテの貝殻を型にして焼き上げ、それをデザートとして供しました。

それを王様は大変気に入って、そのお菓子を彼女の名前を取ってマドレーヌと付けました。

参考記事:コメルシーのレシピで作ったマドレーヌ

もうひとつの由来

有名なお菓子なので、いくつか由来があります。別の説では、フランス革命後に活躍した政治家で外交官のタレイラン Talleyrand の元で働いていた料理人であるアヴィス Avice がカトル・カール Quatre-quarts(*)の生地を小さな貝殻型の型で焼きました。

アヴィス Avice の愛人の名前がマドレーヌだったことから、この名前が付けられたという説もあります。

ピエール・ラカン Pierre LACAN (1836-1902 パティシエ・菓子歴史家)が書いた「製菓覚書」 LE MEMORIAL DE LA PATISSERIE にこのことが記されています。

(*)カトル・カール Quatre-quarts は小麦粉・バター・たまご・砂糖がそれぞれ同じ分量で作られているシンプルな焼き菓子です。パウンドケーキとも呼ばれています。

参考記事:いちおし。はちみつマドレーヌのレシピ

前者のマドレーヌが作ったマドレーヌ説が有名ですが、後者は本に記されているため有力だともいわれています。どちらの説にしても女性の名前が付けられているということと貝殻の形というのは同じようです。

マドレーヌの材料は非常にシンプルで、その当時でも十分に手に入れることができるものばかりです。そのため、だれが最初に作ったのかを特定するのは難しいのかもしれません。マドレーヌのおばあちゃんが作っていたくらいなので、庶民の間でも作っていたお菓子だったんじゃないかなと思います。

マドレーヌは200年以上たった今でも愛されているお菓子です。

なぜなら、食いしん坊だった王様がおいしいと認めたお菓子だったからこそ。

おすすめ関連記事



kico

投稿者の記事一覧

こんにちは!
ただいまフランス・リヨンで生活しています。
フランスのガイドブックに載っていない町を旅したり、その土地特有のお菓子を見つけたり、焼き菓子のおいしくできるレシピを研究したりした情報を発信していきたいと思います。
Facebook、Twitterでのフォローお待ちしています!

関連記事

  1. クリスマスの定番!パピヨットはリヨン生まれ|la papillote クリスマスの定番パピヨットの伝説!あなたは幸せ・不幸論どっちを信…
  2. リヨンの伝統菓子クッション リヨンのクッション型のお菓子|クッサン・ド・リヨン Coussi…
  3. cocon de Lyon ココン・ド・リヨン 繭のお菓子 Cocon de Lyon
  4. パティスリー・デリスデサンスのビューニュを食べてみたよ|リヨン郷土菓子 フランス・リヨンの伝統菓子|ビューニュをマルディグラに食べるワケ…
  5. タルトタタン誕生の物語 フランスの伝統菓子タルトタタンの名前の由来
  6. フランスのミルフィーユの食べ方 millefeuille ミルフィーユの誕生の由来|ナポレオンも好きだった?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. パリ=ブレストの作りかた – フランス菓子 Paris-Brest パリ=ブレストの作りかた - フランス菓子 Paris-Brest
  2. プラリネクリームの作りかた Crème mousseline au praliné プラリネクリームの作りかた Crème mousseline au praliné
  3. クレーム・ムスリーヌの作りかた – フランス菓子の基本 クレーム・ムスリーヌ(バタークリーム)の作りかた - フランス菓子の基本
  4. クレーム・パティシエールのプロの作りかた クレーム・パティシエールのプロの作りかた
  5. フランス語がオンラインで学べるおすすめレッスン厳選の6校 フランス語がオンラインで学べるおすすめレッスン厳選の6校
  6. フランスでのパクス PACS の手続きの流れ【2018年】 フランスでのパクス PACS の手続きの流れ【2018年】
  7. ベルナションのチョコレート工場を見学してきた ベルナションのチョコレート工場を見学
  8. フランスのパティシエ国家資格とは?日本人も受験可能! フランスのパティシエ国家資格とは
  9. 南フランスのブリオッシュのガレットデロアの作りかた 南フランスのブリオッシュのガレットデロアの作りかた
  10. カカオ豆から作るチョコレート製造の過程がみれる博物館|MUSCO リヨンのチョコレート博物館 MUSCO

フランス語勉強まとめ

フランス語の勉強のしかたをまとめました。
ぜひご覧ください。

初級フランス語勉強ノート

フランス語勉強のまとめ

フランス菓子

  1. リヨンのアイス ショコラオランジュ
  2. フランス・アルザス地方のクリスマスクッキー
  3. スーパーで買えるマドレーヌ Madeleine Commercy

作りかた

  1. フランスの定番!洋梨のタルトの作りかた la tarte amandine aux poires Bourdalou
  2. パンデピスのレシピ pain d'epice
  3. 赤いフルーツのシャルロットの作りかた Charlotte aux fruits rouges

お菓子の歴史

  1. フランスのミルフィーユの食べ方 millefeuille
  2. タルトタタン誕生の物語
  3. リヨンの伝統菓子クッション
セバスチャン・ブイエsébastien BOUILLET|リヨンの有名パティスリー
  1. フランス・リヨン旧市街のアイス屋さん|一番おいしいのはどこ?
  2. いまやパティスリーの定番菓子?リヨン版イスパハンを試してみたよ!
  3. 朝ごはんにもぴったり!素朴なおやつ りんごのパウンドケーキ
  4. 1日でパリのお菓子屋さんをめぐる旅サンジェルマンデプレ編
  5. ババ・オ・ラム|リヨンのパティスリー デリス・デ・サンス
  6. フランス地方発!バターと砂糖だけの素朴なお菓子*タルト・ブレッサン
  7. ドライフルーツの洋酒漬けの作りかた|最適な漬ける期間を比較中
  8. リヨン・ジャコバン広場近くのおしゃれ系パン屋さん|Le pain des Jacobins
  9. トロペジェンヌの包装

Twitter

PAGE TOP