わたしは焼き菓子が食べるのも作るのも好きなんですが、その中でもマドレーヌが大好きです。好きなものはマドレーヌができた歴史から知りたくなるものです。
今回は、マドレーヌができた由来を紹介します。
マドレーヌが誕生した由来
1755年、ルイ15世の時代、フランスの東部にロレーヌという公国 Duché de Lorraine がありました。その公国を治めていたのはルイ15世の妃の父親であるスタニスラス王 Stranislas Leczinski でした。彼は美食家で大食漢として有名でした。
ある日、彼はコメルシー Commercy という町でで宴会を開きました。宴会半ばで厨房の料理人とパティシエがケンカをし、最後のデザートを台無しにして出て行きました。
しかし、食いしん坊の王様のためにお菓子をださないといけません。困り果てていると、召使いをしていたマドレーヌ・ポルミエ Madeleine PAULMIER が祖母から教わっていたお菓子生地をホタテの貝殻を型にして焼き上げ、それをデザートとして供しました。
それを王様は大変気に入って、そのお菓子を彼女の名前を取ってマドレーヌと付けました。
参考記事:コメルシーのレシピで作ったマドレーヌ
もうひとつの由来
有名なお菓子なので、いくつか由来があります。別の説では、フランス革命後に活躍した政治家で外交官のタレイラン Talleyrand の元で働いていた料理人であるアヴィス Avice がカトル・カール Quatre-quarts(*)の生地を小さな貝殻型の型で焼きました。
アヴィス Avice の愛人の名前がマドレーヌだったことから、この名前が付けられたという説もあります。
ピエール・ラカン Pierre LACAN (1836-1902 パティシエ・菓子歴史家)が書いた「製菓覚書」 LE MEMORIAL DE LA PATISSERIE にこのことが記されています。
(*)カトル・カール Quatre-quarts は小麦粉・バター・たまご・砂糖がそれぞれ同じ分量で作られているシンプルな焼き菓子です。パウンドケーキとも呼ばれています。
参考記事:いちおし。はちみつマドレーヌのレシピ
前者のマドレーヌが作ったマドレーヌ説が有名ですが、後者は本に記されているため有力だともいわれています。どちらの説にしても女性の名前が付けられているということと貝殻の形というのは同じようです。
マドレーヌの材料は非常にシンプルで、その当時でも十分に手に入れることができるものばかりです。そのため、だれが最初に作ったのかを特定するのは難しいのかもしれません。マドレーヌのおばあちゃんが作っていたくらいなので、庶民の間でも作っていたお菓子だったんじゃないかなと思います。
マドレーヌは200年以上たった今でも愛されているお菓子です。
なぜなら、食いしん坊だった王様がおいしいと認めたお菓子だったからこそ。
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