クリスマスが近づいてきたので、お菓子好きのフランス語の先生からパピヨットについての話を教えてもらいました。
フランスではクリスマスが近づいてくると、スーパーやパティスリーにパピヨット papillote というチョコレートが並びはじめます。
パピヨットとはキラキラした紙にくるまれていて、両端は切り込まれていてひらひらとした形をしています。中身は一口サイズのチョコレートが入っています。
クリスマス前にフランスに来られた方やフランスに住んでいる方は目にしたこともあるのではないでしょうか。
今回は、フランスのクリスマスの定番であるパピヨットというチョコレートを紹介します。
パピヨットとは?
パピヨット(la papillote)とは、伝統的に外側はキラキラとした銀や金色の紙で、左右は小さく切ってひらひらとさせていて、内側にはメッセージの書かれた紙が巻かれたチョコレート菓子のことです。
チョコレートだけでなく、pâte de fruits(パット・ドゥ・フリュイ)という果物の固めのゼリーなどもあります。主に、クリスマス時期に食べます。
そのメッセージには、なぞなぞ、冗談、ポエム、ことわざなどが書かれています。
例えば、
La vie, ce n’est pas d’attendre que l’orage passe, c’est d’apprendre à danser sous la pluie. / Sénèque
– 人生とは、雷雨が過ぎるのを待つのではなく、雨の中ダンスを習うようなものである。
Un peu de jalousie éveille un amour heureux qui s’endort.
– 少しの嫉妬は眠っていた愛を呼び覚ます。
じつは、このパピヨットが生まれたのはリヨンなんです。クリスマス時期に必ず食べるパピヨットが、身近なところで生まれたなんてびっくり。
パピヨットが誕生した由来
18世紀末、リヨンのクロワルッス地区付近(le quartier des Terreaux)に、コンフィズリー店で見習いをしている若い男の子がいました。クロワルッス地区とは、リヨン市役所横のテロー広場から北に丘を登ったところで、昔から絹織物が盛んな地区です。
コンフィズリーとは、チョコレートやキャンディなど小さくて甘いお菓子のことです。
彼は、上の階で働いている美しい女性が気になっていました。
彼は彼女の気を引くために、コンフィズリーを作って贈ろうと考えました。コンフィズリーに短い愛の言葉を書いた紙を巻き、彼女に贈ろうと考えました。
この話の続きは、不幸な結末と幸せな結末の2つあると言われています。
見習いの男の子は、コンフィズリーの店主に相談したが、店主はそのアイデアを却下しました。でも、店主はそのアイデア自体はおもしろいと考え、メッセージを書いた紙を巻いたコンフィズリーを販売することにしました。
そのイジワルな店主の名前がパピヨット氏だったから、パピヨットというお菓子が誕生した説。こちらは、アイデアだけ盗られて、男の子の恋愛はうまくいかなかったんですね。
ふたつめは、店主に相談せずに、見習いの男の子は愛のメッセージを書いた紙に巻いたコンフィズリーを彼女に贈り、その後ふたりは結婚したという幸せな結末。
彼女の甥がパピヨット氏だったというとこから、パピヨットと名付けられた説。
甥の名前をコンフィズリーの名前に付けるのか…というところに若干の強引さはありますが、後者の幸せ説が本当であってほしいです。
その後の1898年、トーマスとペレンの家族によって、チョコレート店(Révillon)が創業され、ほんの数年のうちに、リヨンでは最大のチョコレート店に発展していきます。
Révillon は今でもパピヨットで有名なブランドです。
1965年までに、パピヨットは今の形となり、1971年にリヨン市内から、隣りのロワール県(Loire)に移転し、リヨンだけでなく、フランス全土に広まっていきました。
いかがでしたか。今回は、クリスマスの定番チョコレートであるパピヨットの由来を紹介しました。そのお菓子が生まれた物語をしると、さらに食べるのが楽しくなると思います。
ぜひ、今年はパピヨットとともに楽しいクリスマスを過ごしてはいかがでしょうか。
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