1月の中頃から、フランス・リヨンでは1月中旬からビューニュ Bugne という揚げ菓子がパティスリーに並びはじめます。マルディ・グラというキリスト教のイベントの際に食べられるお菓子です。
ビューニュがどんなお菓子かというのは「ビューニュ Bugne|マルディ・グラに食べるフランス・リヨンの地方菓子」をご覧ください。
今回は、ビューニュという伝統菓子がつくられた由来や歴史を紹介します。
ビューニュの歴史
薄く揚げてパリパリのビューニュはおいしくって止まらないんです。たくさん食べれます。病みつきになる=たくさん食べれるというのは、このお菓子が作られた背景によるものかもしれません。
このお菓子を食べるのはカーニバル(謝肉祭)の最終日です。
このカーニバルの時期が終わると、キリスト教では四旬節と呼ばれる40日間の禁欲生活が始まります。この期間は「1日1度だけの食事」「肉・卵・乳製品は食べてはいけない」という厳しいきまりがありました。
四旬節を迎える前に盛大なお祭り(カーニバル)を開きます。そのお祭りの終わる日がマルディ・グラで、断食の始まる前にたくさんのごちそうを食べていました。ごちそうをたべて、断食期間を乗り切るっていう感じだったんでしょう。
断食前におなかいっぱい食べたい、食べとかないとっていう想いがあっったからか、このビューニュはすごく食べやすいんです。ぱりぱりタイプでもふわふわタイプでもバターが多く入っていないせいか、すごく食感が軽くって食べやすいんです。そして、油で揚げているため、とても高カロリーなんです。
断食を迎えるにあたってエネルギーを蓄えておかないとっていう思いがあったんではないかなって思います。
また、卵を残さないようにお菓子を作ったということもいわれています。たしかに、乳はバターやチーズに、肉はハムなどに加工して保存できるけど、卵は火を通してもなかなか保存は効かないんですよね。
今では断食の習慣も残っていないし、エネルギーをたくさん取らなくては!っていうこともなくなったけれど、ビューニュを食べるという伝統だけはしっかり残っています。
古代ローマ時代からあって、中世の頃に意味付けされたお菓子が今もこうやって季節のお菓子として食べることができるってすごくいいですよね。
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