普段食べているチョコレートはカカオからできていますが、そのカカオ豆はいくつかの品種に分かれていることをご存知でしょうか。
カカオの風味や香りは、カカオの樹の種類や栽培地域、発酵方法によって異なります。基本的には、クリオロ種・フォラステロ種・トリニタリオ種という3種類に分けられます。
カカオ豆が育つ条件と産地の違いによるチョコレートの特徴については、「カカオ豆の産地とその違いによるチョコレートの特徴」をご覧ください。
今回は、その3種類のカカオ豆の特徴とその違いを説明していきます。
クリオロ種(Criollo)
クリオロ Criollo とはスペイン語で「自国のもの」「その土地生まれ」という意味があります。原産地は南米のアマゾン川上流といわれていますが、メキシコ・グアテマラ・ホンジュラス・ベリーズあたりの中米地域で栽培されていたという記録が残っています。
病害に対する抵抗力がとても弱く、栽培するのが困難で現在では絶滅に瀕しており、幻のカカオといわれています。生産量は全体の3%以下と非常に希少なカカオの品種です。
クリオロ種のカカオ豆の形は細長くふっくらとしていて、白・黄紫色をしています。香りは繊細でフルーティーな香りがして、苦みが少なくマイルドな味わいがします。
希少なカカオ豆ですが今では、ベネズエラ・メキシコの中米地域やアジアの一部で生産されています。
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フォラステロ種(Forastero)
フォラステロ Forastero とは、スペイン語で「よその土地の」「よそ者」という意味があります。原産地は南米のアマゾン川上流地域やベネズエラのオリノコ川流域といわれています。
生長がはやく、病気や害虫への抵抗力が強いので栽培がしやすい品種です。
フォラステロ種のカカオ豆はやや小粒で丸く、濃い褐色をしています。はっきりとした刺激的な香りがして、渋みと苦みが強くコクのある味わいがします。
世界での生産量は85%を占めていて、ベースビーンズとして用いられています。主に、西アフリカ一帯やブラジル、エクアドルで生産されています。
アリバ種 Arriba / ナシオナル種 Nacional
フォラステロの派生種として、アリバ種 Arriba(または、ナシオナル種 Nacional )と呼ばれるものもあります。アリバとは現地の言葉で「川の上流」という意味です。
アリバ種とはフォラステロ種の一種ですが、エクアドルのみに生息する固有種です。ジャスミンのような甘い花のような香りをもち、ナッツのような苦みがあります。
アリバ種は生産地が限られているかなり希少なカカオ豆です。
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トリニタリオ種(Trinitario)
トリニタリオ種 Trinitario とは、クリオロ種とフォラステロ種の交配でできた品種のことです。カリブ海のトリニダード島(スペイン語:Trinidad)で生まれたことからトリニタリオと名前がつけられました。
クリオロ種とフォラステロ種の中間的な性質をもっていて、栽培しやすく質が良いのが特徴です。豆の形や色、香りや味わいもさまざまで、繊細でねっとりとしています。
世界での生産量は10〜15%程度で、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、カメルーン、スリランカなどのアフリカ地域、インドネシア、パプアニューギニアなどのアジア、ブラジルなどで生産されています。
カカオ豆は以上の3つの種類あり、さらにそれぞれの産地や発酵方法などで味わいや香りが異なってきます。メーカーやショコラトリーがそれぞれの特徴をふまえた上で、カカオ豆をブレンドすることでチョコレートの味が異なってきます。
今回は、カカオ豆の3つの品種を紹介しました。カカオ豆の種類を知ることでチョコレート選びが楽しくなるかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。
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