フランスでのパクス(PACS)の手続きの流れをくわしく解説します。
以前までは、パクスの手続きは裁判所でおこなわれていましたが、2017年11月1日より役所(Mairie)となりました。ですので、住んでいる管轄の役所で手続きをおこないます。
まず、パクス PACS とは「連帯市民協約」という意味で、同姓・異性同士の性別に関係なく,成年に達した二人の個人の間で、安定した持続的共同生活を営むために交わされる契約のことです。
難しいとか、複雑で時間がかかると聞いていたパクスの手続きですが、びっくりするほど簡単です。
パクス PACS についてはこちらの公式サイトで確認してください。
パクス PACS のための必要書類
まず、パクスPACSのために用意する必要書類は、住んでいる市役所(MAIRIE)で確認します。
ネットでもろもろ調べたり、人に聞いたりするよりも役所に行くと手続きがすべて分かるのでスムーズですよ。←コレ大切!
後に書きますが、アポスティーユの有無を知るためにもまずは市役所に行きましょう。
市役所に行き、パクスをする旨を伝えると契約書や必要書類などを教えてくれます。(ハズです)
すでにご存知だと思いますが、担当者によって知識の差があるので、知らない担当者に当たったら担当を変えて聞いてみましょう。ずうずうしく。
パクス PACS のための必要な書類は以下の通りです。
- パクスの契約書4セット
- 出生証明書 ACTE DE NAISSANCE
- 慣習証明書 CERTIFICAT DE COUTUME
- 身分証明書
詳しく説明します。
パクスの契約書4セット
パクスをするための契約書で、必要事項(住所、出身地等)を記入し、ふたりそれぞれのサインをします。
これは市役所でもらえます。また、サイトでもダウンロードできますが、市役所でもらうほうが確実です。
出生証明書 ACTE DE NAISSANCE
出生証明書という証明書は日本にないため、日本人の場合は「戸籍謄本」を取り寄せて提出します。
戸籍抄本ではなく「謄本」のほうなので注意しましょう。
慣習証明書 CERTIFICAT DE COUTUME
慣習証明書というものも日本には存在しないため、日本人の場合は「身分証明書」を取り寄せて提出します。
フランスの慣習証明書には「破産、禁治産、準禁治産の宣告、後見登記の通知を受けていない旨」が書かれており、その旨の証明が必要なのです。それらの証明は日本の「身分証明書」にかかれてあります。
戸籍謄本と身分証明書の提出のしかた
日本にいる家族などに依頼して、役所で「戸籍謄本」と「身分証明書」を発行してもらいます。
その原本をフランスまで送付してもらいます。
それらの書類はフランス語で示す必要があります。
在フランス日本国大使館や領事館にて、これらの書類をもとに証明書を発行してもらいます。翻訳というよりかは証明っていう感じです。
自分の証明書をもとに必要書類に記入して、それをもとに翻訳の証明書を作ってくれます。
そのために最寄りの大使館や領事館に問合せてください。郵送でも対応してくれます。
ちなみに、手数料は
- 戸籍謄本:10ユーロ
- 身分証明書:35ユーロ
また、市役所 Mairie によっては法定翻訳家(TRADUCTEUR ASSERMENTÉ)の翻訳を必要とするところもあります。この件も事前に市役所に確認してください。
アポスティーユ
アポスティーユとは、日本の官公署、自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。
上記ような戸籍謄本や身分証明書などの日本で発行した書類を証明するためのもので、外務省にて証明をしてもらいます。
パクスの書類を提出する役所によっては、このアポスティーユが必要となってくる場合があります。必要かどうかは役所によって違うため、提出する役所に聞いてみるのが手っ取り早いです。
必要な場合は、日本で書類を取り寄せた後に、日本の外務省へ依頼する必要があります。
フランスに送付する前におこないましょう。ですので、まず市役所で問合せるっていうのは重要です。
特に、パリの役所ではアポスティーユを求められることが多いそうです。
ちなみに、リヨンの役所では「アポスティーユ???」って感じでした。不要です。
身分証明
本人を証明するものです。
日本人の場合は、パスポートや滞在許可書です。フランス人は身分証明のカードを持っています。
これらは提出するのではなく、提示するだけです。コピーは取られます。
パクス PACS の手続きの流れ
パクスの手続きをするための流れです。とてもシンプルです。
市役所に電話または訪問して、パクスをする日の予約をします。
直接役所に行ったほうが話がスムーズになります。もうご存知かと思いますが、電話でうまくいくことなんてないですー。あるけど。
念のために、市役所を訪問した際に必要書類が正しいかを確認してもらうことをおすすめします。
予約日当日に役所に行き、再度身分証明(パスポートや滞在許可書)を提示し、契約書にサインします。
パクスの契約は無料でおこなえます。
これで、完了です。
公証人に依頼する方法もある
上記で説明した市役所で手続きをする方法以外には、公証人 Notaire に依頼する方法があります。
その場合は、400ユーロ程度の費用がかかります。
一方が外国人の場合、パクスの手続きが複雑で時間がかかると聞いていたので、そのときには公証人に依頼しようと思っていましたが、実際には市役所での手続きも簡単だったので依頼することはなかったです。
日本での書類準備などからやってくれるんだったら、メリットは大きいとは思うんですがさすがにそこまではやってくれないです。
以上、フランスで日本人とフランス人がパクス PACS する際の必要書類と手続きの流れを紹介しました。
とにかく、まず最初に役所に行って問合せてみるっていうのが、手続きをスムーズにおこなうコツです。
必要な方は参考にしてみてください。
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記事を読ませていただきました。
今パクスの手続きと滞在許可証の切り替えのを並行して調べております。
色々なサイトや体験談から、滞在許可証の切り替えには一緒に暮らして1年又は2年、もしくは半年?ということの証明できる書類を提出したという記事を目にします。
この期間は管轄によって違うので確認するように書いてあるので市役所、プレフェクチュールどちらでも確認に行ったのですが教えてもらえず、わからないと言われ困っています。
もしご存知でしたら教えていただきたいです。
こんにちは。コメントありがとうございます。
市役所、県庁で分からなかったことはわたしも情報は持ってないです…。すいません。kico