タルト・トロペジェンヌの歴史と由来
このタルトは、南フランスのサン・トロペ Saint Tropé というリゾート地で生まれました。
1952年頃、アレクサンドル・ミカ Alexandre Micka というポーランド人のパティシエがサン・トロペでパン屋を開店しました。
彼は小さい頃おばあちゃんが作っていたお菓子を作り、看板メニューとしていました。そのお菓子はブリオッシュにクリームを挟んだお菓子でした。
それが後のタルト・トロペジェンヌです。
1955年、サン・トロペ近くのラマチュエル Ratatuelle の海岸で映画の撮影が始まりました。
ラマチュエルの場所
まだ無名な頃のブリジット・バルドー Briditte Bardot が主役の映画でした。
[ https://fr.wikipedia.org/wiki/Brigitte_Bardot ]
ブリジット・バルドーは1960年代以降に活躍している女優、モデル、歌手で、現在では動物保護活動家として活躍しています。1960年代以降、プライベートが奔放で自由気ままということからフランスのセックスシンボルとされていました。
その映画のタイトルは ” Et Dieu… créa la femme ”(そして神は、女性を創った) 、邦題のタイトルは「素直な悪女」。
映画のあらすじは、
南仏サン・トロペーズの町の孤児ジュリエット(ブリジット・バルドー)は、子供のないモラン夫婦に引取られた。まだ十八歳という若さでいて、彼女のあふれるばかりの魅力には、さまざまな男たちが集って来た…
ある日、彼女は差し入れのあったこのお菓子を食べ、とてもおいしくって気に入ったので、
「このお菓子の名前はタルト・サントロペがいいんじゃない?」と提案しました。
これがきっかけで、このタルトの名前を「サントロペの女の子」という意味のトロペジェンヌ Tropezienne と名付けました。
この映画をきっかけにブリジット・バルドーも有名になっていき、それに伴うようにタルト・トロペジェンヌも全国的に広まっていきました。
今では、トロペジェンヌの専門店もありますし、全国のブーランジュリーなどでは定番のお菓子となっています。